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円・こどもステージ
1981年から始まった円・こどもステージは、今年の「青い鳥」で38作品目。
代表的な作品をいくつかご紹介いたします。 画像クリックで、作品解説もご覧いただけます
不思議の国の不思議の森で帽子屋がお茶会を開く。そこには、アリスやチャシャ猫、三月兎などの不思議な登場人(?)が集う。そこで、東の国の使者が、東方の文化「ジャン・ケン・ポン」を伝えようとする。不条理劇で知られる別役実さんの意欲的な児童劇。1984年初演、2000年、2002年、2015年再演。
絵本「100万回生きた猫」の作者佐野洋子さん初の舞台のための書下ろし作品。おばあちゃんと子猫の静かな生活に、突然やってきた自転車ブタは、何を置いていったのか。異色の画家スズキコージの美術とあいまった、ドタバタ破天荒な舞台が展開する。円こどもステージ№6として1987年公演。 写真は左から、山乃廣美、橋爪功、金田明夫。
谷川俊太郎さん構成による舞台。〈こどものためのことばラエティ〉という副題をもつこのお芝居は「こどもは物事をすべて遊びながらおぼえる。ことばもそうです」という作者一流のおもしろい言葉遊びによって構成され、日本語の持つ「言葉の豊かさ」を観客に伝える。1983年初演から2016年まで度々、キャストを変え上演を続けている。円こどもステージの財産演目のひとつ。
作/別役実 童話のピノッキオは、人形から人間になりました。お話は、その後。交通事故に遭い、記憶喪失となった大人のピノッキオ、かもしれない男が、亡くなったはずのゼペット爺さんを作りだす。もう一度あの人にあいたいという思いが、新しい命を育んでゆく。人生の死生観を思わせた作品。1998年初演。左から 南美江、三谷昇、高木均
きむらゆういちさん原作の絵本を作者自ら初舞台化した作品。オオカミとヤギに象徴される、食うものと食われるものという厳しい自然の掟を越えた、心と心の通い合いを描いた作品。舞台版にしか登場しないキャラクターが色を添え、ベテランから若手まで俳優たちの力量が、美術・音楽によってよく生かされた。舞台美術は、絵本と同じくあべ弘̪士さん。1997年初演、2001年、2007年再演。
ヤーノシュの絵本「おばけリンゴ」を元に、谷川俊太郎さんがイメージを膨らませて戯曲化した作品。生演奏の楽士などとともに観客と舞台との一体感ある楽しい劇空間が創造される。円・こどもステージの記念すべき1作品目。1981年初演、2005年、2013年再演。写真は2013年版。
この物語では、赤ずきんちゃんはオオカミに食べられてしまうというのではなく、くすぐられるだけ。おばあさんもいたって元気で、実は魔法使い。夢でしか両親に出会ったことのない赤ずきんのために、クリスマスの夜、魔法で両親に会わせてあげようという奇想天外な別役版赤ずきんちゃん。円・こどもステージ№5として1986年に初演。2008年再演。 写真は2008年版
日本の伝統芸能の一つ狂言を谷川俊太郎さんが現代語に訳し、円の俳優が伝統にとらわれず演じた。「いろは」「ぶす」「さいのめ」「しびり」「いぐい」の演目を、筋は変えず今の言葉で演じ、笑いのもつおおらかさを表現し、大好評。 パートⅡも創られた。 1994年初演、全国公演も。
これはおばけの話です。おばけは何故出てくるのか?驚かせたり、悪さをしたいのではありません。「おばけも人間も同じいのちの違う形」なのだと、70数年も昔、あの暑い夏の日にあの世にワープしたおばけの少年は語ります。狂言の様式を借り、命の大切さを伝えた谷川俊太郎作品。2010年初演。2016年まで小学校公演として続いたロングラン作品。写真は2014年再演のときのもの。